中高年もものにゃんと!いい気分

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人生の後半を楽しく生きる

緊迫の日々の合間の安らぎ

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パパさんがキイトルーダの副作用で間質性肺炎になりかけ、3週間の緊急入院になったあとのこと。

伊勢原の大学病院に入院していたのですが、入院中に看護婦さんやまわりの患者さんたちから地元情報をいろいろと耳に入れたパパさん。

「伊勢原って歴史のある町で、お参りするところもあるみたいなんだ。大山豆腐で有名な大山という山にも神社があるらしい。1拍2日で行かない?」

パパさんから、ここへ行こうという提案があるのは、とても珍しいことです。普段は出不精で、あまりあちこち行きたがらず、家でのんびり過ごすことが好きな人だから。

しかも神社参拝したいと言うーーー。

人口呼吸器で酸素吸入をして、それこそ、生死をかけた入院だったし、夏から入退院を繰り返す日々が続いていました。

気持ちも滅入りますね。

来年は娘の桃子も大学受験だし、家族でゆっくり外泊するのも最後かもしれないな。

私はパパさんの希望を最優先にしようと思いました。

「泊まる所はオレに任せてくれる?」

今までになく力の入った表情のパパさん。

勿論、パパさんの希望の所で!!

桃子は、公立の中高一貫校の5年生。部活は吹奏楽部に所属していて、自由になる時間は限られています。

週に1日はお休みですが、コンクールやイベントがあるとお休み返上で練習の日々です。

なんとか、日時を調整してホテルを予約しました。

家族旅行なんて、何年ぶりでしょうか!

近場の小旅行ですか、わたしたち家族にとっては一代イベントです。

これまで緊迫した日々が続いていたので、良い気分転換になるでしょう。

11月の下旬。桃子は、連休はどうしても取れないというので、宿泊当日は私たちが一足先にホテルにチェックインし、部活が終わる夕方、平塚の学校まで桃子を迎えに行くことにしました。

すべての準備を済ませ、当日を待ちます。

なんだか、今が末期癌の闘病中とは思えない平和な時間でした。

楽しいことを考えているときって、緊迫したネガティブな波動は入り込めないポジティブな波動でいっぱいになるのですね。

ホテルは昭和のバブル期を思わせる歴史感たっぷりの古いホテルでした。

お部屋はベッドが2つに、和室付きの和洋折衷の比較的広いお部屋でした。

「わぁ。いいじゃん。いいじゃん。ゆっくり寛げそうよ」

私は子どもに戻ったようにハイテンションになりました。

浴衣に着替えると館内散策!

先ほどチェックインのときには気が付かなかったのですが、よく見るとフロント奥のスペースのラウンジに、ソファーを囲むように水が流れていて、そこに本物の鯉が泳いでいました。

ソファに腰掛けると、目の前に、これまた昭和を感じるサイドボード。中には高級感溢れるワイングラスが並んでいました。

私たちの他には、お風呂から帰って来た浴衣姿の宿泊客が数人通過する程度で、静かな夜でした。

桃子も忙しい毎日。久しぶりに非日常を味わうことがてきて楽しそうな笑顔を見せていました。

大山阿夫利神社へ

次の日、ホテルのフロントに聞くと、この辺りで有名な場所は大山にある阿夫利神社とのこと。

紅葉の時期で混んでいるかもしられないけど、途中まで行けば、頂上まではモノレールが通っているようです。阿夫利神社まで、そのロープウェイで行けると聞き、早速向かうことにしました。

地元の人の情報だと、車でも阿夫利神社まで行けなくはないが、細い山道。慣れていないと危険のようです。

私たちはモノレール乗り場の近くまで車を走らせました。

目的地に近づくにつれて、人の数が増えて来ました。かなり手前の駐車場まで混んでいます。

「紅葉シーズンだからねー。もう少し行って駐車出来ないようなら引返す?」

「そうだね。仕方ないね」

私たちが、モノレール乗り場のすぐ近くまで行くと、1台のバイクに乗った初老の男性とすれ違いました。

バイクの男性は、私たちに気付くと、引き返してきて

「ついてきて」

と言うと、前を走り始めました。

意味がわからなかったのですが、言われるがままにバイクの男性に誘導されて行くと、「モノレール乗り場」と書かれた看板近くの狭いスペースに、1台だけ車を止めるスペースがありました。

「今、1台だけ空いたところ。1日1000円ね」

その男性は、その土地の地主さんだったようです。自分の駐車場へ案内したわけですが、私たちにとっても好都合!

闘病中のパパさんを長距離歩かせるわけにはいかないし、手頃な駐車場は全て満車状態でしたから。

私たちは、バイクの男性にお礼を言うと、そこから傾斜になっている上り階段を一歩一歩、ゆっくり歩き始めました。

見上げると、幅1メートルか2メートルくらいの石段が遥か上まで続いています。

その両端には地元のお土産屋さんが立ち並び、合間に旅館や民宿がちらほら顔を覗かせていました。

「風情があって良いけど、上までたどり着けるかなぁ」

モノレール乗り場まで、この石段をかなり登らないとつけないようです。

パパさんは「大丈夫」と言います。

折角ここまで来たし、途中きつかったら引返すということで、私たちは前に進みました。

駒を作っているお店、蜜柑を売っている、人の良さそうなおじいちゃん。なんだか、昔懐かしいような、ほっこりする気持ちになりました。

そうこうしているうちに、モノレール乗り場へ着きました。

私たちは、阿夫利神社参拝が目的だったので、神社までの往復切符を買ってモノレールに乗り込みました。

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