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人生の後半を楽しく生きる

息苦しい。コロナ?

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春うららかな、ある土曜日の朝。

窓の外では、鳥のさえずり、ツツジの花が鮮やかなピンク色で春の日の朝を彩っていました。

「病院に電話して。。。」

外の景色とは対照的に、重々しい声を喉の奥からやっと絞り出したパパさんの声が2階から聞こえました。

私はバタバタと急いで階段を駆け上るとパパさんに近づきました。

もう一歩も歩けないという前かがみの姿勢で青白い顔を苦しそうに歪めています。

「大丈夫?!!どうしたの!」

息苦しさを訴えるパパさん。

これは、もしかして以前、抗がん剤の副作用で体験した「間質性肺炎」というものではないだろうか。。

以前も、動くと酸素量が減ることにより、極度の息苦しさを訴えたことがあった。

あのときは即入院になった。。絶対安静で動くことは許されなかったっけ。。

私はすぐに病院に電話をかけました。今日は土曜日で外来はお休み。でも、時間外診療していただけることになり、パパさんを車を乗せると自宅から40分くらいかかる大学病院へ向かいました。

車中で、パパさんは言います。

「夜、猫の水を替えようと階段を下りたとき、頭痛と目の前が真っ暗になるような普通ではない感覚があった」と。

これは体験しないとわからないのでしょうが、本当に死んでしまうかも!と思うような感覚だったようです。

即!入院

病院に着くと、パパさんは駐車場から病院まで歩くこともできず、車椅子を借りて診察室へ行きました。

診察室へ入ると、すぐに酸素量を測りました。

「やっぱり酸素量が少ないですね。。。」

パパさんは、移動ベットに横になるよう言われ、その後、CT画像を撮りました。

私は待合室で、かなりの時間、待っていました。

(以前にもこんなことがあった。入院になるかもしれない。)

私は念のため、着替えや歯磨き等、入院の準備は簡単にしてきました。

予想は当たって、このあと当直の先生から詳しい説明があるのですが、即、入院になりました。

先生の説明はこうでした。

「画像検査の結果、肺に影が見つかりました。一週間前の外来での画像検査では認められなかったことから、ウィルス性か細菌性の肺炎、もしくは癌の転移かもしれません。」

コロナウィルスが猛威を振っている時期だったため、その可能性も十分ありました。

「これから、コロナウィルスのPCR検査の結果がわかるまで、ご家族とも面会謝絶です」

その日からまるまる2日間、パパさんは、隔離病棟に移され、ガラス越しに看護婦さんが様子を見に来たり、接触するときは、防護服にダブルマスクという完全防備です。

コロナも肺に疾患のあるパパさんにとっては、非常に怖いウィスルです。結果が出るまでの2日間は落ち着きませんでしたが、熱がなかったことと、本人は酸素が補給されると、至って元気になったことを看護婦さんから聞いていたので、陽性ではないような気がしていました。

案の定、結果は陰性。

となると、残るは癌の転移?!!!

それはそれで、更に恐ろしいです。

陰性だとわかった日の夜、パパさんから電話が入りました。

足に血栓!

「どうも、ちょっと深刻みたいなんだよ。。。」

「。。。」

「今日検査をしたら足に血栓が見つかって、その血栓が心臓を通って肺に飛んでいるらしい。かなり大きな血栓で、肺を塞いでいるため酸素が体に行き渡らないらしい。先生からは、これ以上悪くならない処置はしますが、治ることを期待しないでくださいと言われました。大きな血栓が心臓に近いところにあるらしい。動いて血栓がまた詰まると、窒息死する危険もある。絶対安静でシャワーも浴びることができない。仮に退院できても、酸素ボンベを身に付けての生活になるかもしれない。。。」

家族に、担当のお医者様から説明をしていただけるとのことで、次の日、私は、指定された時間に面談に伺いました。

肺塞栓症

約束の時間に病院へ行くと、先生が来るまで病室で待つように言われまた。

パパさんと、一緒に待っていると看護師さが来て、酸素量を見たり、検温したりしてあれこれ身の回りのお世話をしてくれました。

しばらくして、私とパパさんは、先生に呼ばれて、入院病棟内にある面談室へ入りました。

とても穏やかな口調で先生は話します。

「心臓には右心房、右心室、左心房、左心室があって…」

と、ジェスチャーを交えて、小学生でもわかるように、丁寧にわかりやすく説明してくれました。

先生の話では、足にできた血栓が、心臓を通って、肺に飛んでいると言います。

その血栓の大きさが、これまで先生が見たことのないくらい大きくて、肺を塞いでいるようです。

パパさんは、以前に施術で左下葉の肺を切除しています。

残る肺は、左上葉、右上葉、右中葉、右下葉の4カ所。そのうち、3か所は、血栓で塞がれており、残る1カ所でしか、肺機能ができていないそうなんです。

肺は、体中の器官に酸素を送る大切な臓器です。これでは酸素不足になるのも納得できます。

まだ足に血栓が残っているため、それがまた肺へ飛んだら、窒息して死に至る危険性も大いにあるといいます。

だから、絶対安静!!!!!

動いてはいけないのです。

トイレに立つときも、その度に、看護師さんを呼び、酸素量を見ながら動きます。

血栓が心臓のごく近くにあるため、手術は極めて困難。

治療としては、血栓を溶かすお薬を使って、様子を見るしかありません。

「薬で血栓は溶けますか?」

私が聞くと、先生は「血栓を溶かす薬なので溶けることを期待します。ただ、こんなに大きい血栓は見たことがない。。」

先生にとっても初めての経験のようです。

どうなるかわからないけれど、最善を尽くして治療にあたってくれる医療従事者の皆さまには、本当に頭が下がる思いでした。

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